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ニュース・コラム

万葉の時を伝える郷土菓子

2019年4月9日
食あればPRあり

突然ですが、少し前から、寒天ゼリー系のお菓子にはまっています。

いろいろ試してみたのですが、果汁感や食感がちょうどよいのと、懐かしさも交じって、いきついたのは信州を代表する銘菓「みすゞ飴」でした。

生まれが松本ということもありますが、「みすゞ飴」は小さいころから身近でした。ただし、お土産などで貰ったものを食べることが多く、わざわざ買って食べた記憶はありません。

    

久しぶりに食べたい、と思って探してみると、都内のスーパーや百貨店など、結構いろいろなお店で売っていることがわかりました。普通の袋菓子から比べると、お土産価格で少し高いのがタマニキズですが、ランチを牛丼の普通盛に変えれば手が出るくらいなので、最近は自分用に毎週1袋買っています。

      

ところで「みすゞ飴」の名前の由来ですが、ずっと松本にある美鈴湖が語源と思っていました。改めて調べてみると、「令和」で注目を浴びている「万葉集」に書かれている、「信濃」の枕詞「み篶(すず)かる」が由来なのだそう。長野県には「みすず」のついた地名が多いらしいので、美鈴湖も由来は同じなのかもしれません。

しかし、辞書編集者の神永曉さんによると、「信濃」の本当の枕詞は「み薦(こも)かる」なのだとか。江戸時代の国学者・賀茂真淵が「薦(こも)」は誤字で「篶(すず)」が正しいと解釈したことから「み篶(すず)かる」が枕詞として広まりましたが、昭和の国学者・武田祐吉がやはり「薦(こも)」が正しいとして、それが現在の主流になっているそうです。もし賀茂真淵の解釈がなければ、「みすゞ飴」ではなく「みこも飴」になっていたかもしれませんね。

     

もうひとつ「みすゞ飴」について、ずっと不思議に思っていたことがありました。「みすゞ飴」は、あんず・うめ・もも・ぶどう・さんぽうかん・りんごの6種類の果汁をたっぷり練りこんだ、水あめと寒天でつくる、翁飴を基にしたお菓子です。6種類の果物の名前をよく見ると、なにか違和感を感じませんか?

そうです。なぜ6種類のうちのひとつが「三宝柑(さんぽうかん)」なのか、ということです。杏・梅・桃・葡萄・林檎は信州の名産なので納得なのですが、「三宝柑」はほぼ和歌山だけで作られている果物なのです。和歌山といえば、フルーツ王国として長野とはライバル関係にある県。しかも日本を代表する「(温州)みかん」でもなくて、なぜ「三宝柑」なのか。

      

ネットを調べてもよくわからず、考え始めると夜も眠れなくなります。そこで、ダメもとで「みすゞ飴」を製造販売する飯島商店に、直接メールで問い合わせをしてみました。すると、なんと、その日のうちに丁寧な回答をいただきました。(ありがとうございます)

その回答によると、約50年前に社長が偶然「三宝柑」に出会い、きわめて上品な香りと酸味に惚れ込んで、すぐさま現地である和歌山県田辺市に視察に飛んだそうです。江戸時代にはお殿様に献上し、一般人は口にできないくらい大変高貴なものでしたが、当時は柑橘類の品種改良が進み、甘みに欠ける「三宝柑」は、伐採奨励品目として無くなってしまう運命の果物だったそうです。その「三宝柑」に惚れ込み、「みすゞ飴」や「三宝柑福居袋(季節限定発売の超人気ゼリー)」などの材料として、半世紀もの間使用し続けている飯島商店では、「三宝柑」を次世代に伝えていくために、今でも保存植樹事業を行っているそうです。

      

今では「三宝柑」は最盛期のおそらく10分の1にも満たない生産量になってしまいましたが、「みすゞ飴」があったからこそ、今でもまだ残っている、と言える果物なのです。ウィキペディアの「三宝柑」の説明には、“長野県銘菓「みすず飴」の6種の味のひとつとして長らく用いられている”と書いてありますが、わざわざ書かれているのも納得ですね。そんな長野と和歌山のつながりを考えながら食べると、ますます「みすゞ飴」はおいしく感じられ、やめられなくなってしまうのです。「三宝柑福居袋」や「生みすゞ飴」も是非食べてみたいと思っています。

(さ)

※「梅」についても品質が良い和歌山・佐賀産を使用しているとのことです

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