クライシス対応に必要なガバナンス機能

すでに全米のみならず世界中のカーメーカーの信頼を揺るがす事態となっているタカタのエアバッグ問題。 メーカー各社がリコールを次々と実施している一方で、製造元であるタカタのほうはいまだに対応が後手に回っており、批判の的となっています。 Family-run Takata at center of air bag recalls この記事のなかでコーポレートガバナンスの専門家が語っているように、公開企業である同社の経営が不透明で、事故発生から現在に至ってもトップが現場に顔をださず、まさにガバナンス機能不全に陥っていることに起因するクライシスといっていいでしょう。 同じようなクライシスは過去、何度も繰り返されています。 関西の有名料亭の食中毒事件、最近では韓国で起きたフェリー事故などがよい例です。 いずれもオーナー企業にありがちで周りをイエスマンで固めてしまい、都合の悪いことは上に報告しない、適切なアドバイスができる空気にない、といった環境は一度クライシスが発生してしまうと、そのオーナーの手腕にしか頼ることができません。 金融庁がまもなく発表する指針、日本版コーポレートガバナンスコードは、今後こうした不幸な事件や事故が発生した場合、迅速かつ適切な対応を図ることができるよう、多くの日本企業に体質改革を促すことになることを期待したいものです。